鈴の音
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2011年 10月号

睡眠に費やす時間は私たちの人生の3分の1に及びます。これほど長い時間が必要な睡眠にはどのような意味があるのでしょうか。


<睡眠の役割>
起きている時に、脳はたくさんの情報を取り入れ、処理し、適切な行動につなげています。もちろん、こうした複雑な動きは、目覚めていても意識されないままに行われています。
明日からの活動を良くするには、今日学んだ事をできる限り生かせるよう準備をしなければなりません。脳の中で、このような大事な作業は眠っている間に行われる事がわかってきました。
つまり、睡眠には当日の疲れを癒すとともに、脳の状態を改善するという働きもあるのです。

<レム睡眠とノンレム睡眠>
睡眠には、レム睡眠、ノンレム睡眠の2種類に分けられます。
寝付いてから3時間ほどの間は、浅いノンレム睡眠→深いノンレム睡眠→浅いノンレム睡眠→レム睡眠という順に進みます。このサイクルがおよそ90分ごとに繰り返されます。3時間以降は、深いノンレム睡眠はほとんど現れず、浅いノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れます。
レム睡眠は、起きている時に近い脳の状態になります。夢をはっきり見るのも、このレム睡眠の時です。レム睡眠時に、いらない情報を捨て去り、必要な情報や経験を残すように整理しているという説があります。
ノンレム睡眠はどのような役割があるかというと、昼間に受けた情報を脳に刻み込み、ずっと覚えておくという能力に関係しているといわれています。例えば、不眠症によってノンレム睡眠が少なくなると、記憶の能力が低下します。
睡眠は連続した変化なので、レム睡眠とノンレム睡眠のどちらかが大事というわけではありません。それぞれが大切な役割を持っているのです。

<睡眠とひらめき>
睡眠をしっかりとると記憶に望ましい効果があるだけではなく、「ひらめき」効果も高まるようです。
ある隠されたルールに気がつけば、いとも簡単に解ける問題を使った実験では、問題を練習した後に睡眠をとった場合、眠らずに起きていた場合に比べて、その隠されたルールに気づく人の割合は3倍くらい多いことが分かりました。つまり、ピンとくる人が増えたわけです。

睡眠は身体の疲れをとるだけではなく、脳の整理や記憶といった重要な役割があります。秋の夜長と言いますが、夜更かしはほどほどに、適度な睡眠を心がけましょう。