鈴の音
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2013年 6月号

<夏の塩分摂取>
 夏は発汗により水分以外にも塩分(ナトリウム)などのミネラルも失われ、熱中症の危険性が高まります。そこで、水分補給ばかりでなく、塩分摂取も必要になります。しかし、塩分の取り過ぎは高血圧の原因とされています。いったい夏にはどれくらいの塩分を取れば熱中症を防げるのでしょうか。


<日常の減塩目標>
 高血圧予防のために1日の食塩摂取量は厚生労働省では10g未満、日本高血圧学会では6g未満の目標を掲げています。平成23年の統計による日本人の平均食塩摂取量は、1日10.4gあり、世界的にみても多く摂取していて、塩分過多な民族とされています。もし、1日6g未満の摂取に抑えられれば、血圧が下がり、心血管病の原因となる高血圧症の予防になり得ると期待されます。

<熱けいれん時の塩分補給>
 暑い夏にたくさんの汗をかいたとき、水だけを補給していると体内の塩分が不足し、筋肉の激しい痛みやけいれんが起こります。このような状態を「熱けいれん」と言います。熱けいれんは、熱中症の一つで、血液中の電解質のバランスが崩れたとき起こります。予防には水と一緒に塩分を補う必要があります。塩分補給の目安は0.2%とされていますので、水1リットルに2gの食塩量になります。

<ナトリウムと食塩量>
 多くのドリンクや食品には健康増進法にもとづく栄養表示基準により、ナトリウムの含有量が「mg」または「ミリグラム」単位で表示されています。食塩はナトリウムと塩素の化合物なので、ナトリウムを食塩量に換算するには塩素の重さを加えなければなりません。
食塩量(g)=ナトリウム量(mg)×2.5÷1000 となります。
 例えば、経口補水液「オーエスワン」は100mlあたり115mgのナトリウムを含んでいると表示されているので食塩量は、
115×2.5÷1000=0.2875g
になります。
 つまり、オーエスワンを1リットル飲むと2.875gの食塩量を摂取した事になります。これは、激しい発汗時のほぼ理想的な食塩量と言えます。

<夏の塩分摂取の目安>
 以上のように、夏の発汗時には熱中症予防のために、水分だけでなく塩分摂取も重要です。1リットルに2g程度の食塩補給が目安となります。しかし、日本人の食塩摂取量は普段から多いので、食事をきちんと食べている場合や高血圧症の人は、少量の塩分摂取で十分です。1日の総摂取量の目安として、食品の栄養表示基準のナトリウム含有量を参考にしましょう。1日6gの食塩はナトリウム量で2400mgです。高血圧予防の立場から1日2400mgのナトリウム量を超えないような塩分摂取を心がけましょう。