鈴の音
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2013年 8月号

<下の血圧の話>
 血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧の2種類があります。収縮期血圧とは「上の血圧」と呼ばれるもので、拡張期血圧とは「下の血圧」と呼ばれます。「血圧が高い」と言われた時、上の血圧(収縮期血圧)の値のみを気にする方がおられますが、実は下の血圧(拡張期血圧)も高血圧を考える上で重要な要素になります。今回は血圧の中でも「下の血圧」について見て行きましょう。


<血圧の仕組み>
 血圧は血管にかかる血液の圧力です。血液を全身に行き渡らせるため、心臓は収縮と拡張を繰り返しながら血液を押し出しています。心臓が収縮する時に押し出される圧力は最大になり、収縮期血圧とよばれ、血圧の最大値を示します。心臓は血液を押し出した後、次の血液を押し出すために拡張します。この時に血管にかかる圧力が拡張期血圧とよばれ、血圧は最小値を示します。

<一般的な血圧値は>
 血圧は年齢とともに上昇します。一般的に血圧は20歳代で上/下が120/75、40歳代で140/80、60歳代で150/90台です。高血圧症と診断され治療が必要な値は上/下が140/90以上で、治療目標値は135/85未満です。下の血圧は若い時は75〜80くらいであまり高くはなりませんが、高齢になると90を超える事も珍しくなくなります。これは動脈硬化による血管の弾力性が失われるためと考えられています。

<若いのに下の血圧が高い>
 若い方で上の血圧が130くらいなのに、下の血圧が90を超える方がおられます。下の血圧がだいたい85以上の状態を拡張期高血圧症とよばれ、高血圧症の初期症状にあたります。常に血管に圧力がかかっているため、放置すると血管の弾力性がますます失われ、動脈硬化の進行が早まります。動脈硬化が進行すると、上の血圧も上昇し、若いうちから高血圧症になってしまいます。原因には諸説ありますが、肥満や運動不足、飲酒、喫煙などが上げられています。

<対策>
 薬の服用で下の血圧だけを下げる事は現段階では難しいようです。拡張期高血圧症の疑いが生じたら、適正体重を維持し、大量の飲酒や喫煙をやめる事がまず必要です。すなわち、生活習慣の改善が大切で、肥満の解消と運動療法が最も有効とされています。5kg体重を落とすだけで、下の血圧は3〜5程度低くなり、適正な血圧に近づくと言われています。若いからといって、また、上の血圧が130未満だからといって安心してはいけません。下の血圧も是非注目してみて下さい。

血圧を測ったら上の血圧だけでなく下の血圧にも注目しましょう。