鈴の音
バックナンバー:  
2013年11月号


 最近、寒くなってきました。季節の変わり目や、朝晩の冷え込みが強くなる時期に喘息発作は起きやすいと言われています。今回は、喘息について注目したいと思います。


<喘息(気管支喘息)とは>
 喘息のもとは気道の炎症です。喘息の人の気道は、症状がない時でも常に炎症を起こしており、健康な人に比べて気道が狭くなって、空気が通りにくくなっています。炎症が起こっている気道は、とても敏感になっていて、正常ならなんともないホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作が起きてしまいます。

<喘息は現代人に増えている病気>
 日本では、喘息の患者は増えており、子供で約6%、大人で約3%、全体では400万人を超えています。排気ガスや工場排煙などによる大気汚染、食品や住宅建材などの化学物質、清潔すぎる環境などが喘息を発症させる要因のひとつと考えられます。

<発作を予防するための薬>
 喘息治療は気道炎症と気道狭窄(気道が狭くなっていること)を主にターゲットとしています。 中でも炎症に対する治療が中心で、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬が基本となっています。その他に、気管支を広げる長時間型β2刺激薬やテオフィリン徐放錠などがあります。

<吸入ステロイド薬>
 吸入ステロイド薬は強い抗炎症作用があり、喘息治療には欠かせません。この薬は、ゆっくり効いてくるので効果が出始めるまで3日~1週間ほどかかり、やめると効果がなくなってしまうので長期間毎日続ける必要があります。ステロイドというと副作用を心配する方も多いですが、吸入薬なので気道に直接届き、内服薬と比べて、用いる量が非常に少なくてすみ(約100分の1)、全身への作用が少ない薬剤です。ただし、吸入後は口に残った薬を洗い流すため、うがいが必要です。

<長時間作用性β2刺激薬>
 β2刺激薬は気管支を拡張する薬です。効果が速く出る短時間作用性のものは発作治療薬として使われますが、効果が長く続く長時間作用性のものは毎日使用します。長時間作用性β2刺激薬は吸入薬、内服薬、貼り薬があります。動悸や手のふるえなどの症状が現れる場合があります。このような症状が出たら主治医に相談しましょう。

<ロイコトリエン受容体拮抗薬>
 気道を収縮させたり、炎症を引き起こしたりするロイコトリエンというアレルギー反応によって生じる物質の働きを邪魔します。それにより気管支が広がり、炎症も抑えられます。喘息の合併症として多いアレルギー性鼻炎の治療薬としても使用されます。

<テオフィリン徐放錠>
 気道を広げる作用と、炎症を抑える作用の両方を持っています。血中のテオフィリン濃度があがりすぎると中毒症状がでることがあるので、医師に指示された用量・用法を守りましょう。

気道が敏感な状態がよくなるには時間がかかります。症状が治まっても自己判断で中止せず、治療を続けましょう。