鈴の音
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2014年12月号

<冬は空気の乾燥に注意しましょう>
 冬の関東地方は異常乾燥注意報が発令され、砂漠並みに空気がカラカラになります。この乾燥状態は皮膚や粘膜の防御機能を弱め、様々な細菌やウィルスの感染原因になります。今回は空気の乾燥がもたらすトラブルとその対策について述べたいと思います。


<空気乾燥はなぜ悪いの>
 皮膚の表面は皮脂などで、上気道(鼻や喉の奥)の細胞の表面は薄い粘液によって常に潤っています。この潤いは外部からの細菌やウィルスを細胞内に付着させないためのバリア機能として働いています。空気が乾燥すると、表面が乾き、細菌やウィルスへの防御機能が弱まります。細菌やウィルスが細胞に付着し、体内に侵入することで湿疹やかゆみ、上気道炎など様々な疾病の原因になります。特にこの時期に風邪などの疾患が流行するのも、空気の乾燥が一因となっています。

<皮膚疾患の例>
 乾燥による皮膚疾患の例としては乾燥肌の痒みがあります。肌が乾燥するとバリア機能として働いていた皮脂の量が減少し水分がどんどん失われて、ますます肌が乾燥するという悪循環に陥ります。そうなるとバリア機能がますます低下して、ちょっとした刺激にも過敏に反応し、かゆみを生じやすい肌になってしまいます。
 こうしたかゆみを伴った乾燥肌は、「アトピー性皮膚炎」や「皮膚掻痒症」、「乾皮症」の発症原因に大きく関わっています。また、痒みによって掻いてしまうことで皮膚を傷つけ肌トラブルを悪化させてしまいます。冬の乾燥時期はこうした「痒みを伴う皮膚疾患」が特に多く見られます。

<風邪の流行>
 先に述べたよう様に、空気が乾燥すると上気道の潤いが減少し、細菌やウィルスが細胞に侵入しやすくなります。体は様々な防御機能により侵入してきた細菌やウィルスを排除しようとします。鼻水が出る「鼻風邪」に始まり、喉や鼻の奥の炎症「上気道炎」、「咳」、「発熱」などの症状が出る、いわゆる風邪症候群も防御機能の一種と考えられます。また、「インフルエンザ」もこの乾燥時期には流行します。その理由のひとつには、乾燥することでウィルスを含んだクシャミなどの飛沫が長い時間空気中に滞留しやすくなるからです。

<乾燥注意報が出たら>
 乾燥気味の肌には保湿成分の入った軟膏や化粧品などを使い、スキンケアを心がけましょう。また、こまめに水分を取ることも必要です。夏と違い冬は水分摂取が少なくなりがちです。冬でも体は意外と脱水症気味になっています。さらに、部屋の空気を乾燥させないような工夫も重要です。加湿器などを使い、湿度を50%ぐらいに保ちましょう。夜の就寝前に濡れたタオルを3枚くらい干しておくだけでも、部屋の乾燥具合が大分違ってきます。

冬は乾燥に注意して、健康な毎日を送りましょう。